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2007年9月15日 (土)

ドナルド・キーン

サッカー観戦記執筆^^で手一杯となり、一昨日の日経夕刊に掲載された「日本文学の魅力」と題されたコラムについての感想文を書くのが遅れてしまった。

これまでにドナルド・キーンの文章は何回か読んでおり、外国人から見た日本評として面白く読んでいた。今回は先ず彼が源氏物語に強く惹かれたきっかけが印象的だった。欧州でドイツが進軍を開始し暗い世相の中、アーサー・ウェイリーの英訳で読んだ「『源氏物語』には戦争とは対極の世界があり、暴力はどこにもみあたらなかった。美しい夢のような平和な世界が悲しみでつづられていた。」 実は私は過去二回ほど現代語訳で読み始めたことがあるのだが、二回とも数十ページで降参してしまっている。ひとつの文がとてつもなく長く、それもべっとりと湿った感性で満ち満ちているので、とても耐えられなかったのだ。今でもとても読めそうに思われない。しかしこのコラムを読んで、どんなところに源氏物語の良さがあるのか、ひとつのヒントを与えられた思いがした。そうか、源氏物語ってそういう価値もあったのか。

彼は太平洋戦争が始まると「人を殺す軍人には絶対になるまいと考えて海軍日本語学校に応募」する。まあ、そういう逃げ道のなかった人はみな人を殺す道しかなかったのであるが・・・・。そして押収した日本の文書を翻訳する部署に配属され、血痕の付いた兵士の日記を読み、死を前にした兵士の日記にどんな文学より迫力を感じ涙を流したという。

戦後の来日後、文部大臣となる永井道雄と出会い、彼を通し日本の代表的文学者と知り合うようになる。その辺りは私にはあまり興味が湧かない部分。しかしそのあとに書かれているノーベル賞と三島由紀夫・川端康成の絡みはとても興味深く読ませてもらった。

話は逸れるが、ここでも先日読んだ「金閣寺」が活きてきた。名前だけ聞いているのと、その作家の作品の一つ・二つに目を通しているのとはずいぶん違うものだと思った。

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