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2011年2月11日 (金)

エレーヌ・グリモー ピアノリサイタル

2月4日にBShiの「クラシック倶楽部」で放送されたエレーヌ・グリモーのピアノ演奏がとても良かったので、録画を繰り返し見て聴いて楽しんでいる。放送されたのは今年一月にサントリーホールで開かれたコンサートからの録画で、ベルクのピアノソナタ作品1、リストのピアノソナタ、バルトークのルーマニア民俗舞曲からの抜粋が放送された。

ベルクはこれまで何回かオーケストラ曲を聴いたことがあるのだが、いずれの機会でも良さが理解できずにいた。今回グリモーの演奏を聴いて、初めていい音楽だな、と感じることができた。彼女の奏でる演奏はとても音楽的で、特に音色が磨き抜かれている点が優れていると思った。こういう演奏でこれまで良さの分からなかった音楽を楽しんで聴けたことは、今まで自分が知ることの出来なかった素晴らしい世界の扉を開いてもらったように感じられ、大変ありがたかった。思えば、学生時代に合唱団でバッハの宗教曲を歌って宗教曲の世界への扉が開かれ、ドビュッシーの「沈める寺」を聴いてそれまで理解することの出来なかったドビュッシーやラベルの世界の良さを分かるようになった、そういうことに匹敵するような体験をさせてもらったような気がする。自分が素晴らしいと思える世界が開かれ広がっていくのは愉快なものである。

リストのソナタの前にはグリモーがリスト観を語るインタビューが挿入された。リストの魔的な魅力、革新性が語られた。曰く、リストに楽しさはない、と。これは実家にあったSPレコードのハンガリー狂詩曲を聴いて熱中し、クラシック音楽を好きになった私には実に意外な発言だった。ハンガリー狂詩曲は文句なく楽しい音楽だったのに。彼女の発言はリストのピアノソナタのことを言っただけのものだったのかもしれない。しかしこのインタビューを聞いて、平素流れてくるリストの曲を聴いてピンと来るものがなかった私はちょっと救われるような気もした。これは彼女の演奏したリストのソナタを聴いたあとでも同じである。演奏は美しく極めて音楽的であったけれども、その曲の良さが100%理解できたとは思えなかったからである。それでも彼女の演奏のお陰でリストを楽しむことはできた。ありがたい。これをきっかけに更にリストが分かるようになるため、また録画を聴き返してみようと思う。現実の音楽は即時的なもので一度奏でられたら消えてしまうものである。これを文明の利器を駆使して繰り返し聴くというのは本来望ましいことなのか、ということを考えないでもないが、繰り返し聴いて未知の美の世界が目前に開かれるのであれば、これは喜ばしいことではないだろうか。

バルトークの曲は軽い楽しい曲だった。演奏が素晴らしかったのは言うまでもない。これがバルトークの「重い」曲を楽しめるようになるための一助になってくれたらありがたいと思う。オーケストラのための協奏曲や弦、打楽器、チェレスタのための音楽はとてつもなく素晴らしい音楽だと思いながらも、名曲だといわれるピアノ協奏曲やバイオリン協奏曲を聴いても理解できない私だが、彼女の演奏が未知の喜びの世界への導きになってくれたらいいな、と願うばかりである。

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