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2011年11月16日 (水)

「島国チャイニーズ」 野村進著 講談社

確か新聞の書評を見て興味を持ち、図書館の予約待ちをして借りて読んだ。

私は本の表題から勝手に、島国である台湾から日本に来ている中国人について書かれた本だと思い込んでいたが、中身はそれとは違い、大陸の中国から来日して苦労する、或いは努力する中国人の姿をレポートするものだった。東アジアでは対日感情が良好な唯一の国と言っていい台湾の方々がどんな暮らしを送っているのか、困っているのはどういうところなのか、などを知りたいと思って読んだのに、少々異なる内容の本だったのである。しかしながら著者の平明な読みやすい文章に誘われるように、在日中国人の実態レポートに引き込まれていったのである。本を著そうとする人はこういう文章が書けるようになってから書いてくれ、と言いたくなるほど読みやすかった。

世論調査で明らかなように日本人の対中国感情は悪い。そんな中でも我慢しながら滞日生活を成功に導いた中国人も居るし、失敗して獻日感情を抱いて帰国、乃至は強制帰国となる人々も居る。凶悪犯罪を犯すものが居ると思えば、日本語で小説を書き名だたる文学賞を受賞人も居る。そんな幅広い実態を簡潔に紹介している。

来日するために一か八かの大借金をして来る人も多いようだ。それで地方の嫁として来日し、所期の目的を果たすとさっさと離婚して日本に居続ける人々のことも紹介されている。やむを得ず離婚に追い込まれる人も居れば、速やかな離婚を企図して国際結婚する輩も居るようだ。

国民性の違い、価値観の違いから、私も正直なところ(大陸からの)中国人にはあまり好感を持っていなかったのであるが、この本にはどうして中国人がそういう価値観を持つことになったのか、についても書かれていて、これまでより中国人の行動を理解できるようになった気がする。一人っ子政策が若い世代の行動様式に強く影響しているようだ。大震災時多くの中国人がさっさと帰国してしまった背景にも一人っ子政策があるとのこと。

それにしても日本に来る中国人はハングリーでたくましい。日本語学習能力の高さには舌を巻く。中国人が日本語を学習する方が、日本人が中国語を勉強するより簡単なのだろうか。多くの若い人にこの姿勢、能力を知ってもらいたいと思った。そうしないと日本という国はどんどん遅れをとってしまうだろう。

著者のインタビューに対し多くの中国人が「日本に来て自分が静かで優しくなった」というように答えているのには、日本人としての自尊心をくすぐられるような感じを持った。在日中国人から見た日本の良さというのもなかなか新鮮な発見であった。

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