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2012年2月 8日 (水)

「生物学的文明論」 本川達雄著 新潮新書

難しそうな題名の本ではあるが、歌う生物学者として高名な著者の書いた新書であるから読みにくい本であるはずがなかった。あとがきによるとこの本はNHK第二放送で流された講演番組の原稿を元に活字にしたものだそうだ。

隅から隅まで面白く大変ためになる本であったけれども、一番印象に残ったのは生物学的に見た人間の寿命についての話だった。ゾウもネズミも心臓が15億回打つとみんな死ぬ。人間で言うと41歳で15億回なのだそうだ。現に江戸時代の人の寿命は40歳台だったとのこと。その人間の寿命がこの60年で1.6倍にまで伸びたのはひとえに人間の技術の賜物だそうだ。決して人間が昔より丈夫になったわけではない。医療技術、食料生産技術などの進歩により寿命が伸びたのである。だから生物的寿命を過ぎたあとの人生は人工生命体としての人生なのだと言える。

老年期をどのような心構えで生きていくのが、生物としての賞味期限を過ぎても生き続ける人類にふさわしいのか、に関する著者の考え方も頷かされるところが多かった。

ためになったこと、大変参考になったことは山ほどあるので、興味を持たれた方は一読することをお勧めする。

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