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2012年10月15日 (月)

「イスラームから世界を見る」 内藤正典著 ちくまプリマー新書

信徒ではない社会学博士で現代イスラーム地域研究者である著者が、イスラームの立場から見た近頃のイスラムと西欧の衝突を解説してくれている本。トルコ語ができる著者がトルコ人の生の意見を挟みながら、西欧から見ると「遅れている」「好戦的に見える」「女性差別的に見える」イスラムの人たちの考え方の基本を、歴史を振り返りながら、チュニジア、エジプト、イラン、シリア、アフガニスタンなどを、それぞれの地域事情の説明とともに分かりやすく解説してくれている。

それぞれに複雑な歴史背景があるので簡単には読み進めなかったが、元来複雑である中東事情を少し踏み込んで理解しようとすれば、このくらいの面倒臭さは我慢しなければならないのだろう。

著者によればイスラーム教はもともとが商業を重んじる、他教との共存を重んじる宗教であり、過激なテロを繰り返す集団は異端であるそうだ。そのような異端者に対する一般のイスラームの心持ちは、虐めにいじめられ抜いた果てに報復的に極悪犯罪を犯してしまった者に対し、「そりゃあしちゃいけないことだよな。気持ちは分かるけど」と思うのと同じであるようだ。

国家を超越する教えであるイスラム教と国境で仕切られた国々の関係性、イスラム教よりずっと排他的で好戦的だった西欧キリスト教国の問題、と、他にも読んでとてもためになった本であった。

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