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2012年11月26日 (月)

「動的平衡2」 福岡伸一著 木楽舎

前著「動的平衡」では個体レベル・細胞レベルでの絶え間ない破壊と再生の平衡が主に語られていたと思うが(読んだのだが当時私には感想を書き残す習慣がなかった)、この本ではそれに加え、地球環境、食物連鎖など生物を取り囲む世界にも動的平衡の話が拡大されていたように思う。

副題の「生命は自由になれるのか」という問い掛けはエピジェネティックスに関連している。生物は遺伝子に規定されている、というのがこれまで広く信じられてきた考え方であるが、遺伝子情報以外にも子孫に伝わっているものがあるのではないか、ということを考えるのがエピジェネティックスの考え方だそうだ。卵環境は子孫に受け継がれる、というサブパラグラフにその考え方が紹介されている。福岡先生が考えるに、遺伝子情報というのは音楽で言えば楽譜である。楽譜は同じでも演奏者により奏でられる音楽はがらっと変わり得るように、生命は遺伝情報にすべて縛られるものではないのではないかとのこと。

この本を読んで一番印象に残ったのは、地球上の生命はすべてヌクレオチド三文字の遺伝情報でアミノ酸を生成しており、そのことから数百万とも数千万とも言われる生物の多様性が、すべて単一の生命の起源から出発した進化の産物であると考えられるのだ、との部分である。これを私は知らなかった。

読み進んでいて章が進むと前の章との関連が分からず戸惑うことがままあったが、本の最後に、この本は著者が前に雑誌・新聞に発表した原稿に加筆、修正の上再構成したものであることが書かれていて腑に落ちた。

これからも福岡先生が出す本は必ず読んでいきたい。

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